第922話 領主任命3
「ねぇ、拝命を断ることは出来ないよね?」
サラは本宅に戻った後にローデット達に相談する。
「まぁ無理でしょうね」
「そうだよね。じゃあさ、誰か代官を雇って、私はこの王都や代官地辺りでのんびりするってのは?」
「普通の領主でもダメですし、今回はサラ様を王都から離したい意図ですからもっとダメでしょうね」
「そうだよね・・・。でも、領地運営なんて分からないわよ。どうしたら良いのかしら」
「そうだよな、俺たちって元々は一般庶民、それから冒険者になって、たまたま功績を認められての叙爵だからなぁ」
「ねぇ、元々のターフルダ侯爵領の運営をしていた人たちはどうなっているの?」
冷静なリリーの発言に対してローデットが答える。
「はい、ターフルダ侯爵が投降した後は、宰相が送り込んだ領主代行を中心に領地運営を継続できるよう、ほとんどは残っていると聞いています」
「ならば、その一番トップの侯爵家の辺りだけドラセム家のメンバが変わるだけじゃないの?」
「完全に手を抜くならばその方法もありますし、領民にとっては一番抵抗感が少ないかと。ただ、歴代侯爵家であったターフルダ侯爵家には歴代の譜代の寄子貴族も居て、騎士団も含めて運営を行なっていました。今回、帝国に内通していたことから奪爵された貴族たちです。また、現在のドラセム家の文官のほとんどは代官地の運営しかしておりませんので、そちらとの住み分けも必要になります」
「色々と面倒ね」
「はい、更には今まで以上に仕官の申し込みが殺到します。それらの中から、ドラセム家の譜代になりえる家臣団を育てて行く必要もありますが、他家からのスパイが紛れ込む可能性もありますので注意が必要です」
「ねぇ、ローデット。そうは言っても何となく思っている運営案はあるんでしょ?」
「さすがサラ様。そうですね、そのうち領主になられるとも想像して考えていた案、聞いて頂けますか」
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