第180話 刺客疑惑
転移先まで貴族たちと重なり、刺客かと問われてしまったサラたち。
慌ててサラの作成中の地図を提示して、ハリーは
「ちょうど今はここを探索中なんです。今は5日目になります」
と弁明する。貸せ、と言われて渡すと、ジルベールは少しだけ先に進んでこの階層の地図であることを確認しに行く。戻って来るなり
「これを寄こせ」
と言われ、さすがに驚きながらも
「複製するので少しお待ちを」
と、サラは急いで別の紙に転記をして原本を提出する。慌てていて、せっかくの魔法の羽根ペンを使わなかったが、後から考えるとそれで良かったと安堵する。
そのまま出発する貴族パーティーであったが、最後に別の若い金属鎧が
「すまない」
と言って、銀貨が何枚か入った小さな布袋を渡して来て、残りメンバを追いかけて行った。
貴族パーティーが見えなくなってからようやくサラたち4人は深い息をして
「なんだったんだよ」
「殺されるのかと思った」
などと言いあう。
「あいつらとは別の行先に行こう」
というハリーの言葉通り、別の方向に向かって歩き始める4人。
それから2日ほどしてようやくゾンビが多そうなエリア、つまりボス部屋に近いと思われる場所になる。そのまま探索を続けるとある部屋の奥にひときわ大きい扉が見つかる。念のためにその扉の部屋のまわりと思われるところを一周してみるが、下層への階段は見つからない。大きい扉の向こう側にあるものと想像される。
もうすぐ夕方になるぐらいであるため、大きい扉の手前の部屋で野営をしてからボス部屋に挑戦することにした。
いつものように焚火でハリーが調理をして、少し早めの夕食にしているときに、部屋に入って来る者がいた。
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