第562話 閲兵式2
翌日、サラは開拓地から来たルーカイを含めて20騎の第1騎士隊、本宅から一緒に来たディディエを含めて5騎の近衛騎士隊と騎士団長でもあるハリーの26人の黒色金属鎧・濃緑マント組と、ティアーヌを含めて11人の濃青ローブ組と一緒に、騎士団練習場の指示された場所に向かう。
おいて行こうとしてもついてくるロック鳥のガンとワイバーンのワンも、ハリーの近くを飛ぶかワンは肩にとまったりしている。
現地に近づくと、流石の王国騎士団の規模であり、過去に見た帝国戦や帝城の包囲網などの規模よりも多い兵士数に圧倒される。これが使節団に対する威圧の意味もあっての閲兵式であると理解する。
白色を基調に統一された王国近衛騎士団が一番端に居て、その隣に緑色に装備も揃っている王国第1騎士団。その横に各貴族が供出しているため装備もバラバラな王国第2騎士団、さらに向こうに数十人の王国魔術師団となっている。
サラはもちろん王国第2騎士団であるが、新参であり規模も少ないとみての、王国魔術師団の横が指示された場所であった。
王国魔術師団の隣にティアーヌを先頭にしたドラセム家の魔術師団、その隣で他家の騎士団との間にハリーを先頭にドラセム家の騎士団を近衛、第1の順に並ぶ。ガンとワンはそれぞれハリーの後ろ、肩にとまっている。サラはそのティアーヌとハリーの前の一番先頭に、白馬に乗り、自身もティアーヌたち魔術師団と同じ濃青ローブをまとう。
隣の王国魔術師団の先頭は団長のブロワール・レデリクスでは無かった。団長は国王たちの側にいるのであろう。その王国魔術師の助言で、王国第2騎士団長である公爵の補佐官と思われる人物に
「サラ・ドラセム伯爵。魔術師を含めて38騎兵到着しております」
と報告をしておく。驚かれた顔をされたが、頷きはされたので、そのまま列に戻りに行く。
□
驚いていたのは、公爵の嫡子であった。目を引く美少女が白馬で近づいてきたら到着報告を、公爵嫡子の自身のことも知らない風で報告してくること、名前を聞くと帝国戦で活躍した魔術師と聞いていた新しく伯爵になった者のはずなのに、歩兵も無く騎兵のみで38騎もということ、さらには報告を貴族当主が来ているということ等である。
貴族らしからぬ動揺をしてしまったことを反省した嫡子であった。
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