第561話 閲兵式

謁見の間で、使節団も国王も退出した後、宰相が残った貴族に向けて発生する。

「事前周知はしていなかったが、明日に閲兵式を行う。非常事態は急に来るものであるという一部からの提案をもとに、緊急訓練と兼ねる。詳細は官僚からの指示を受けるように」


謁見の間を出たところで、王国魔術師団長レデリクスが話しかけてくる。

「明日の閲兵式のことはご存知でしたか?」

「いえ、まったく」

「領地持ち貴族は当然対象外ですが、王都に居る法衣貴族は寄子による騎士団を含めて騎士団練習場に集合して国王にご覧いただくのが閲兵式です。もちろん騎士団ほどの規模はありませんが、魔術師団も端には並びます。ただ、前日に周知とは。魔術師団員に急ぎ連絡を取る必要があるので、ここで」

と去って行く。


サラは経験が無いことなので急ぎハリーたちと合流して、官僚に集まる場所などの詳細な指示を受けに行く。

本宅に帰宅した後は、本宅にいる従士団メンバには明日の準備を伝えた後、ハリー、ティアーヌ、ローデットと共に開拓地に行って、ルーカイやブラハルトと打合せを行う。

一応アルバジルも同席させる。


「もしかすると、一部の武闘派たちの嫌がらせとはこのことであったのかも。閲兵式の経験が無い上級貴族はサラ様ぐらいでしょうし」

「寄子がいないサラ様は他者に対して見劣りするでしょうし、それも嫌がらせの意図なのでしょう」

「王国魔術師団も並ぶということは、私たちも魔術師団メンバも参列しましょう」

「とは言っても、俺たち護衛隊は行かなくて良いんだよな?」

「アルバジルたちは代官地を空にしないで欲しい。王都の衛兵も閲兵式に参列するわけでない」

「ま、今できることしかできないから、明日は揃えた鎧やマント、ローブで行くしかないだろう」

とハリーがまとめ、サラが皆の鎧やマントに≪洗浄≫をかけておく。揃っての現地入りが望ましいであろうから、王都と開拓地の中間地で合流することを決めておく。

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