第663話 悪魔教団後始末2
あっさりと捕虜10人、いずれも上級魔法使いを引き渡されてしまったサラたち。
奴隷商も連れて来ていて、主人はサラに変更済みであり、そのまま帝城の貸し与えられている棟に連れ帰る。下着で引き渡したはずが、流石に簡易な服を着せられていた。
まずハリーが預かっていたそれぞれの服と魔法発動体の杖だけは配った上で、一番気になることを確認する。
「この中で、龍の棲む山の向こう側、王国の辺境の森に行ったことがある者はいるか?」
「おりません」
「指示した者はいるか?」
「おりません」
犯罪奴隷の契約魔法の効力で嘘をつけるはずもないので、サラの母親、アルベールとリリアナの母親の仇と言える者は居なかったようである。
これまでの国境付近での戦争やその他のところで死亡しているのか、はたまたどこかで生き抜いているのか。
いったんそのわだかまりを捨てざるを得ない。その上で、帝国メンバにばれないように、サラたち6人は王都に転移して、隣人カーラ、師匠エミリーも呼んだ上で、皆で彼ら10人の扱いを相談することにする。
「サラ様、ティアーヌ様、アルベール、リリアナたちのお気持ちを踏まえると、教団の幹部たちを生かしておくのは・・・」
という声と
「感情面では生かしておきたくは無いが、犯罪奴隷の契約もあるので、ドラセム家の魔術師団としては強力な増強になる。アルテーラ王国での元悪魔教団員3名追加と同じである」
という正論の2派に当然わかれた。
しかし、結局はサラの直接の仇でもないので、という言葉でドラセム家の魔術師団に迎えることに決定となった。カーラとエミリーもこっそりホッとする。
帝国にばれないようにすぐに6人は帝都に戻り、元悪魔教団の幹部10人に対して、魔術師団員として雇用する旨を説明する。
ちなみに、あの巨大悪魔は、古代遺跡から見つけたと伝わる儀式魔法を祭壇に使用して呼び出したらしく、今のメンバでもその魔法を再現することはできないとのことであった。
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