第662話 悪魔教団後始末
サラたちへの冒険者としての報酬は、帝国軍が捕虜たちも連れて帰り、尋問した結果の確認や神国との対応が整理ついてからと待たされることになった。
その間に、サラたちは10人分の悪魔教団幹部の装備品をあらためることにする。これらに関しては事前に約束していて、一般時と同じく討伐者の取得物になる。
黒ローブ自体は少々頑丈ではあるが、特段魔道具というものではなかった。ただ、悪魔教団の残党狩りなどに役立つ可能性があるので残しておく。その他で目ぼしい物は、まず魔導書が4冊である。
ゴーストを生成する上級の死霊魔法≪幽霊≫の魔導書は、すぐにサラが悪魔ストラデルの補助も受けて習得しておく。その他は、トリストフたちが相手をした中級悪魔1体フールカンと下級悪魔2体アゼルソン、セパルの召喚の魔導書であり、これもストラデルを横に3体ともサラが≪契約≫と≪召喚≫だけしてはしておくと、ストラデルがあくまでも自分が上位であることを念押ししていた。
巨大悪魔の魔導書やそれらしい道具等も無かったが、あれだけの悪魔を≪召喚≫するには多くの魂か魔力などが必要と思われるので、帝国による尋問結果を待つことにする。
それ以外には、それぞれの魔法発動体の杖と、≪呪詛≫の付与された短剣が2本、≪毒≫の付与された短剣が1本であった。これらの短剣は使いどころが難しいため、元暗殺者ギルドの大人であるトリストフとカロルに任せることにする。
今のサラたちには小容量の魔法の袋もいくつかあったが、保留にする。
途中経過を王都の宰相に水精霊シルビー経由で報告すると、全体としては褒められたが、幹部を全員生け捕りにしたことは残念がられた。そのまま帝国に残すと帝国の国力向上につながるため、殺せないなら王国に連れ帰るように厳命された。
装備品と同様に本来はサラたちの所有物になるはずであるが、交渉は難航するであろうとため息をついてしまう。
翌日には帝国軍による捕虜の搬送も終わったと、官僚に呼び出しを受ける。
「ドラセム様たちが捕獲した10人からも、本拠地以外の隠れ家や、これまでの悪事についての尋問が終わりましたので引き渡しをさせていただきます」
驚いた顔のサラたちをみて、官僚は補足する。
「もちろん帝国として欲しい者たちですが、約束通り帝国軍達が捕獲した中級・初級魔法使いだけで諦めます。友好関係を続けたいですので」
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