第587話 海賊騒ぎ後処理
王都で宰相や官僚たちと会議室で対面するサラたち。
宰相からは、
「バッソ元男爵たちの対処、ご苦労であった。男爵より上を目指す野望があり、金を貯めるためにアルテーラ王国の誘いに乗ったらしい。これから、バッソからの賄賂を受け取っていた貴族や官僚の追跡調査の必要も出てきた。アルテーラ王国への調査も必要であるが、現状では脱走兵であると白を切られるであろうから、こちらも賊として扱うことにする」
と、まず状況を教えてくれる。
「続いて、ガレー船とその乗員の軍人たちであるが、まず軍人たちからはアルテーラ王国の情報を絞り出して貰うことにする。その後で、ガレー船とその乗員を訓練船にして、コルマノン王国の海軍強化に使わせて貰う。そのため、ガレー船とその乗員は王国で買取をさせて貰う」
とのことで、もちろん反対できることでもないため、その決定に従う。
「商船の乗員、荷運び人、傭兵などからは、念のための情報収集をした後は自由にしてよい。あわせて、ラブリニーとバッソそれぞれの倉庫、商船についてもドラセム伯爵に任せる」
「ありがとうございます」
と、今後の扱いについてはリリーやカーヤたちに相談することにして、いったんは受ける。
「アルメルス神国のアッズーラ使節たちについては、港町ラブリニーで神国からの迎えを待って貰うことにした。まだレーベルク帝国に向かいたいと言っているらしいが、これ以上は付き合えない」
冒険者として帝国に付いて行く依頼が中途半端な状態であったので気になっていたが、安心するサラであった。
「海賊船の物資、ガレー船とその乗員の売却益、アッズーラ使節から取り損ねることになる報酬はこちらになる」
と、おそらくミスリル貨がたくさん入っているであろう布袋を卓上に置かれる。
ミスリル貨1枚は金貨100枚もしくは銀貨1万枚分であり、普通の職人日当が半銀貨~1銀貨であることを踏まえると、非常に高額であるはずのミスリル貨になれてしまったことに気付くサラ。
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