第588話 海賊騒ぎ後処理2
宰相からは、
「このミスリル貨など元の取り分以外の報酬として、バッソ元男爵領は欲しくないか?」
とにやついた顔で言われるが、
「領地の運営能力もありませんので」
とサラは辞退する。
「やはりそう答えるか。では、こちらの閲覧を報酬とする。1ヶ月で返却するように」
と1冊の書物を渡される。
「レデリクス魔術師団長から、ドラセム伯爵は王庫の魔導書に興味があると聞いているからな。ただ今の王城に読み解けるものが居ないといっても下賜ができる物でないため、閲覧のみである」
「ありがたき幸せ」
と隠しきれない喜びでお礼を言ったとたんにめくってみると空間魔法系列のようである。
「ドラセム伯爵の空間魔法の魔法袋で、王国は非常に助けられているから、これで更に貢献して貰えたら王国としても助かるのでな」
魔導書を読み解きたくて逸(はや)る気持ちで、王都の本宅に帰って来たサラたち。馬車の中でも見ていると、ダンジョンでの光る床でうっすら見えていた魔法陣にも似た感じであり、ますます気が急くので、いつもは夜の定期連絡であるはずの水精霊シルビー経由でヴァーヴ侯爵領都サイユにいる師匠エミリーへの伝言も馬車の中から行う。
そして、本宅では久しぶりの王都への帰宅であり、いつものように本宅の食堂で皆を集めての食事会にする。
家宰であるローデットにより、宰相から貰った褒賞を皆にも分配は終わっている。
その上で、主に商売関係であるリリーとカーヤ、そしてドラセム商会の番頭的なクリストンに、
「ラブリニーとバッソの倉庫、その乗組員や荷運び人など関係者の奴隷たちについて、どうしたらいいかな?」
と相談する。
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