第589話 海賊騒ぎ後処理3
ラブリニーとバッソの倉庫等について、
「私は毛皮職人と商人でいっぱいいっぱいだから、貿易関係までは無理かな」
「私も鍛冶に専念したい」
とリリーとカーヤは言うが、
「せっかくノウハウがある一揃いの奴隷と環境ですので、売却はもったいないかと思います」
とクリストンは進言する。
「じゃあ、直接運営するの?」
「それも一つですし、貸し出しも選択肢ですね」
「クリストンに任せられる?」
「商船1つ、商船員が10人、倉庫が2ヶ所でそれぞれに荷運び人などが3人ずつ、傭兵が4人で、そのうち1人が上級魔法の使い手ですか。やりましょう。ただし、運営資金をお預かりする以外に、その上級魔法使いに精霊経由の伝言が出来るようにして貰えますか?」
「官僚たちの事情聴取が終わったら指導してみるね」
横からハリーが
「魔法袋、≪拡張≫や≪収納≫の指輪や袋を配れば、輸送がもっと楽じゃないの?」
と言うが、クリストンは
「目をつけられて奪われる危険が出るため、本人たちの生命の安全のためにも、配布しない方が良いと思います」
と言うので、通常道具のみで商売をして貰うことにした。
後の話になるが、水精霊シルビーと火精霊ヨルバ共に≪契約≫≪召喚≫できることになり、商船に乗る傭兵4人は通常の海賊相手にやられる心配もなく、王都のクリストンとの連携を取りながら、確実にドラセム商会の利益向上に貢献するようになった。
もちろん家宰ローデットによって、彼らが犯罪奴隷になる前の悪事の被害者への補償を行うと共に、今はドラセム伯爵傘下のドラセム商会メンバであることを分かりやすくするため、ドラセム家の魔術師団の濃青ローブ、騎士団の濃緑マントと同様に、ドラセム商会として統一ローブを身につけることにした。ドラセム家の紋章を左胸にサラの髪色でもある銀色で縫い込んだ、薄青ローブである。
王都でも薄青ローブの知名度をあげるためクリストンにも着用して貰っていたら、リリーとカーヤもときどきは着ると言い出したので、2人にも配ることになった。
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