第491話 ワイバーン来襲

龍の爪先村からそれほど遠くないエルフ村に向かう途中で、村長から風精霊ジョステルにワイバーン来襲の知らせが入る。

自分たち4人の視界の端にもワイバーンを捉えて、今度はティアーヌが冷静さを失いかけるが、サラが横に居ることを思い出し、不安は無いと落ち着く。

当然サラもワイバーンを視界に入れたことから、本気の速度でエルフ村の近くに移動し、各精霊等を≪召喚≫するとともに攻撃をさせる。


一瞬で地面に着地してリリアナとの括り付けをまた短剣で切断して、再度≪飛翔≫で上空に上がる。

ワイバーンは攻撃を受けた精霊たちを追い回そうとするが、精霊たちの方が、数が居る分、上手くあしらっていた。

既に帝都でワイバーンと戦闘経験があるサラは、同様に≪氷壁≫を複数使用して封じ込める。その上で≪氷結≫≪氷槍≫の多重発動を水精霊シルビーと協力してとどめをさす。


下の森に落とさないように空中でワイバーンの死体を魔法袋に収納してから、リリアナと合流しに戻る。そこにティアーヌとアルベールも待機していた。

ティアーヌの先導で4人そろってエルフ村に向かい、村長と話をする。


既に風精霊ジョステルの伝言で話はしているが、山の間道を使って帝国軍が攻め込んできていて、その関係でワイバーンが暴れているとの推測を再説明する。

村長曰くは、先ほどワイバーンが村の近くで狩りをしていたエルフ村の村民を襲撃しようとしたぐらいが現在までの被害とのことである。

その村民も何とか逃げ回っていて、怪我をする前に、サラが倒してくれた、とのこと。


龍の爪先村もエルフ村も大きな被害が出る前に間に合って良かったと胸をなでおろす4人であった。

この後はハリーたちと合流するまで、ティアーヌたち3人はエルフ村に、サラは龍の爪先村に分かれて警戒することになった。


サラは≪飛翔≫で父兄のもとに帰り、成人祝とワイバーン退治の祝いとして、ワイバーンの肉を使った食事を村の皆とするのであった。

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