第492話 ワイバーン来襲2
ハリーたちが龍の爪先村についたのはそれから2日後であり、それまでにワイバーンの来襲は龍の爪先村とエルフ村にそれぞれ1回ずつあった。
龍の爪先村の場合はサラが1人で片付けて、エルフ村の方ではサラが駆け付ける前に、ティアーヌ、アルベール、リリアナの3人で片付けていた。エルフ村の村民も手伝う間も無い早さであったという。
龍の爪先村でもエルフ村でも、お互いも含めて辺境の地に他の村がある認識は無かったとのことである。
このままワイバーンの来襲を待っては退治するより、山の間道をこちらからも進み、帝国軍へ対応しつつ、ワイバーンへの悪影響のもとを断つことにする。龍の爪先村で間道をしる村民に詳しい場所を聞き、6人とも騎乗して間道に向かう。
辺境の森から続く木々が山の途中で無くなり、木々の生えていない岩や土がむき出しの裸山になってくる。おかげでワイバーンが村を襲っていないかを見ながら山を登ることができて安心である。
この山も大きな山が三角錐の形で1つだけあるのではなく、多くの山々が連なる山脈であり、その山と山の合間になる低いところに間道があるという。山頂に近いところにはSランクになる龍ドラゴンが居るとのことであるが、少し高度が下がるとAランクの飛竜ワイバーンやレッサードラゴンが居るとの噂である。ただ、本来は間道を通るだけではワイバーンの棲み処を刺激するところではないらしい。
規模がある軍隊が通ったことの刺激であれば、何か悪さをしている可能性も危惧されるというのが龍の爪先村の狩人の言葉であった。
その日は2頭のワイバーンが山から飛び出していくのを見て、≪飛翔≫で順次しとめて皆のところに戻るサラ。数が少しずつ増えている気がする。
夜になり、斜面でもそれなりに平らな場所を確保できるところで野営を行う。
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