第753話 防衛体制構築
サラの仲間たちは精鋭とはいえ各国の軍隊に比べれば数が少ないので、村々の防衛など面的展開には対応ができない。そこで、ロージアンからダラムの間の村々の防衛や、ダラムへの村民の避難などのように数が必要なことは、神聖騎士団や各国の軍隊に任せて、サラたちはロージアン付近での魔物に対する攻撃に徹している。
それに、村民たちに他国の人間が指示をしても言うことを聞かないのは当然のため、荷物を諦めさせての避難であることや、魔物から防衛するという言葉への信頼確保も神聖騎士団を上手く利用している。
ユノワ大陸の3国からの援軍や、アルメルス神国の首都に居た神聖騎士団を村々に分散配置するのに合わせて、ロージアンの横を通って神国領土内に侵出して行こうとしている魔物たちに強力な魔法で攻撃し続けていることで、何とか魔物の軍団、辺境国からの侵攻に対して拮抗できる防衛体制を構築できた。
それでもまだまだ村々に到着する魔物たちは居るが、膨大な被害を受けずに済むようにはなっている。
まだこれらの状況にできたのは、おそらく数が少ないであろうダークエルフなど強力な魔法の使い手を相手が分散配置することを避けていたことで、単なる統制がとれた人型魔物の群れが侵出して来た、という程度であるからでもある。
きっとダークエルフたちはどこかで状況を見ながら対策を検討しているのであろう。
そのことが推測されたので、サラはハリーとティアーヌのみ連れて、神国の首都ダラムに行き、王国からの使節団を含めて神国幹部との軍議に参加する。
コルマノン王国、レーベルク帝国、アルテーラ王国それぞれの軍隊の参謀たちも一部はこのダラムにいるため、連合軍による軍議ということになる。
「サラ・ドラセム伯爵の魔法のお陰で、各国の軍隊を素早く配置することができ、何とか今の状況にまでたどり着くことができた。本当に感謝しています。もちろん派兵をして頂いている各国の皆様にも多大なる感謝の気持ちです」
教皇自らの謝辞から軍議が開始される。神国幹部は苦々しそうにサラをにらみつけているため、刷新はまだできていないのであろう。
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