第752話 アルテーラ王国援軍
帝国からの援軍を送り届けていると、アルテーラ王国でも伝言が入っていた。
伝言に従い第3王子ダニエーレ・ロリアルド・アルテーラの元に出向く。
「そうか、やはり帝国も支援を決めたか。アルテーラ王国もコルマノン王国のみの勢力拡大は望ましくないため、サラの≪転移≫が使えるなら派兵することに決めた」
「それは、王子の陸軍閥のためでもあるのですよね?」
「さすがだな。その通りだ。今回は役に立たない海軍閥に対して、日ごろ活躍の機会が無い陸軍閥が実戦を通じて他国に貢献するのである。しかも人間相手ではなく、人型とは言え魔物相手であるならば遠慮なく訓練にも利用できる」
「一度にお送りできるのでしょうか?」
「派兵する余力のあるのは王都に居る者たちがほとんどであるため、集結させてある」
王都にある陸軍の訓練場において、第3王子が訓示をした後、サラはアルメルス神国の首都ダラムに送る。そして神国幹部に相談したところ、やはりロージアンとダラムの間の村々に、少し残す神聖騎士団と連携して面的展開をして貰うことになった。
全部の村に対して、サラはメンバを派遣して座標を把握しているわけでは無かったので、把握してあるロージアンに近い村にある程度は分散して送り込んだ後は、神聖騎士団、アルテーラ王国陸軍それぞれの幹部に任せることにした。
それ以上サラが口出すのも越権行為とされてトラブルになる懸念もあったからである。
そして、レーベルク帝国とアルテーラ王国からの派兵も順調であることを、コルマノン王国の宰相に報告しに行く。
「そうか、両国とも無事に派兵したか。やはりコルマノン王国が一歩先に行くことを認めたくないのだな。想定通りである。よし、コルマノンからも、ロージアンだけでなく村々へも派遣できる準備をしてある。彼らを連れて行ってくれ」
「かしこまりました」
「ところで、ガーライト王国とはどうなっているかわかるか?」
「あちらは教皇の書状を通常移動手段で送っているので、国王に休戦の旨が伝わること、もし休戦と国王が判断しても神国付近の海軍たちに伝わるのには相当の時間がかかるかと」
「そうだな。では、神国自身がこれ以上の兵力を南西に集めるのは難しいままであろうな。神国自身で成果が出せなければ、ますます面倒な幹部たちの刷新に期待が持てるな」
サラは、宰相の黒い発言は聞き流し、コルマノン王国からの追加派兵も村々に送り届けてロージアンの仲間たちの元に戻ることにした。
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