第751話 レーベルク帝国援軍
翌日は、レーベルク帝国の指示通り帝都に向かい、登城して援軍の受け取りを行う。
皇帝アウレアス・ジーモント・レーベルク達からサラには、方針変換した理由を伝えられる。
「ドラセム伯爵の力を認識している帝国としては、コルマノン王国の支援だけでも最終的にはアルメルス神国の騒動は解決できると推定した。例え時間がかかっても。しかし、そうなるとますますコルマノン王国の力が増す懸念があり、帝国としても支援した方がパワーバランスを取れようになると考えたのだ」
「派兵による隙を狙うであろう皇弟派を懸念されているのかと思っていました」
「まさにそれよ。逆転の発想でな、その皇弟派を派兵することにした。もともと好戦的な連中に、先日の神国の無礼な使節団への意趣返しとして帝国の力を思い知らせたら良いと指示することにした。ただ、皇弟派の軍勢は帝国西部に散っているため、何度かに分けて送り込んでもらうことになる。3日に1回ずつぐらいで送って貰えると助かる」
「かしこまりました。ただ、神国使節団たちに恨みがあるからといって、ただの神国の民に乱暴はしないですよね?」
「そこは厳命しておく。もし略奪や暴行など行えば縛り首と宣言する」
言葉通り、王城の広場に集められた皇弟派らしい第1陣の派兵隊に向かい、略奪等の禁止令を説明した上で、「銀龍」サラによる≪転移≫でアルメルス神国へ送り込まれることを皇帝自ら話していた。
サラは帝国兵第1弾を神国首都ダラムに≪転移≫させた上で、神国幹部に見せた後に、派兵先を相談する。
「神国の国民にとっては、他国の将兵のみでは心配でしょうから、村々ごとに神聖騎士団の何人かは残しつつ他国の将兵とセットにするというのはいかがでしょうか」
「確かに、ロージアンとダラムの間の村々全てを神聖騎士団ではカバーできないし、支援の将兵の力を借りて面的展開をするしかないか」
その神国内での神聖騎士団に対する指示書も預かった上で、帝国軍を村に≪転移≫で届けつつ、玉突きのように神聖騎士団を魔物がまだたどり着いていないが避難が進んでいない村々に移動して貰うよう伝えて行く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます