第27話 戦力増強2


ハリーは角兎の討伐の際に、妹リリーに怪我をさせたことを悔いていた。


自身が前衛として敵の攻撃をもっと集めるにはどうしたら良いのかを、冒険者ギルドの講師に相談し、盾の武技≪挑発≫を覚えることにする。

魔力を盾に込めて、盾の表面を武器で叩くことにより、敵の攻撃目標を自分に向かわせる、敵対心ヘイトを稼ぐことができるというものである。

ただ、この武技は人間などにはまず効果が無いため、練習は危険の少ない小動物を相手にすることになり、森の入り口付近に一人で特訓に行くことにした。





リリーも二人の前では明るく努めたが、自分の怪我のせいで二人が落ち込んでいることを見て、自分ができる戦力向上を改めて見直した。


弓は中長距離においては反撃が無いが、近接距離になった場合に弱い。今までは近接になった場合には弓を手放して短剣を用いていたが、攻撃力に乏しい上に、同じく短剣を用いるサラと盾と片手剣を使うハリーと3人では混戦になってしまうことに気付いていた。

長柄武器により距離差をつくることが理想であるが、リリーの筋力ではあまり重量のあるものは持てないことと、もともと弓と矢筒というかさばるものを所持していることから、選択肢は多くない。そのため、ショートスピアを選ぶことにした。

槍は剣より間合いが遠く、突くだけでなく叩くことも含めると剣以上に様々な使い方ができ、特に叩くことを主とする場合に非戦闘員に配布するには優れた武器として知られている。

歩行時などは弓矢を背負って槍を手持ち、弓を使うときには槍は地面に突き刺すなどして手放す、近接戦闘になった場合には逆に弓を手放し槍で戦うというスタイルを目指す。


当然購入してすぐに使えるわけではないため、また冒険者ギルドで講師に指導を仰ぐことにした。合わせて槍の武技≪刺突≫も習得する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る