第28話 急成長

サラが泣いて頼んだ回復魔法ともう一つの魔法回復薬の指導も開始する。


サラは≪水生成≫が十分にできるようになってきたので、素材を溶解するまでは容易に習得できたので、魔力による励起を中心に教える。水に溶けて広がった要素それぞれを均等に励起するのが難しく、サラが作成した魔法回復薬はまだまだ初級レベルである。それも回復薬の種類ごとに素材の励起方法が異なるため、まだ傷回復薬のみが実用レベルである。

ただ、それでもサラの回復魔法≪治癒≫は小さな傷を治せる程度で初級レベルにも達していないため、薬草素材がある限りは魔法回復薬の回復力の方が優れている。



水魔法の習熟も、≪水生成≫はこぶし大ではあるがある程度自由にできるようになり、≪水球≫と≪水針≫の作成は十分であるが敵に当てる精度はまだ向上の余地あり。≪水刃≫はまだまだ硬さが足りないことと≪水針≫のように当てる精度がまだまだであるが、こちらは急所に当たらなくてもそれなりに効果があるので、戦闘時には使用に値するところまでは来た。


それ以外に、魔法の発動体を練習用の杖から母の形見の短剣に変えたことや、魔術語の学習により精度や効果も向上した。

さらにその短剣を近接戦闘に用いる際の武技≪刺突≫もある程度習熟できた。


実戦経験ということもあるが、やはり同じ世代の仲間の存在が急成長の要因であろう。




その仲間であるハリーとリリーも、出会ったときより大幅に成長した。

ハリーはショートソードを上質なものに買い替えただけでなく、盾を追加装備することにし、魔力操作を覚えてそれぞれの武技≪斬撃≫と≪挑発≫も習得した。

リリーもショートボウを強化し、ショートスピアを追加装備することにして、武技は弓の≪穿孔≫と槍・短剣の≪刺突≫を習得した。


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