第29話 猪


サラ達3人は再度、角兎の草原に向かう。


途中、リリーの新装備であるショートスピアが目立つため、ハリーからの

「お前、それどうした?」

「まぁ良いでしょ。それよりもハリーこそ、よく何処に行っていたのよ?」

「あぁ、まぁなぁ」

「うーん。では実戦で互いに披露にしましょうか。サラも何かしていたのでしょ?」

にサラも頷くだけであった。


草原に到着すると、早速リリーが1羽の角兎に矢を放つ。

それからは、接近する前にリリーの矢とサラの魔法でしとめきることがほとんどで、近くに来た時にはハリーが盾の≪挑発≫を行うことで怪我もなく、早々に5羽しとめた。


お互いの訓練の成果を認識した意味で3人とも頷いて、2羽まとめて釣ることにした。

一度3羽釣ってしまったこともあるが、前回のように危険な目にあうこともなくそのまま追加で9羽しとめることができた。


その次の2羽を釣っている中で、猪が突撃してきた。

猪突猛進というだけあって物凄い勢いであり、とても逃げ切れると思えず、角兎2羽を早々にしとめて猪に向き合うことにした。


まずハリーが≪挑発≫して、猪を自身に向かわせつつ、突進を直接受けることなく盾を使っていなした。勢いそのまま少しだけ通り過ぎた猪の丸見えとなった尻部に向かって、リリーの≪穿孔≫と、サラの≪水刃≫を当てる。

助走が無いため普通の速度で戻ってきた猪に、今度こそ盾で正面に向き合い片手剣で切りつけるハリー。その横でショートボウを手放しショートスピアで中距離を保つリリー。小さな角兎と違い巨大な体であるため、同士討ち・フレンドリーファイアの危険もないため、そのまま魔法攻撃を続けるサラ。

ハリーはときどき≪挑発≫しながら片手剣の≪斬撃≫、リリーは中距離のまま槍の≪刺突≫、サラは急所の目を狙う≪水針≫と胴体を狙う≪水刃≫、3人それぞれ惜しみなく武技や魔法を使うことで猪を倒しきることができた。

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