第110話 銅級冒険者
しばらくするとハリーが衛兵たちを連れてきた。
盗賊が襲ってきたこと、撃退したが、1人は死亡してしまったこと等をリリーが要領よく伝える。
衛兵からは、もちろん人殺しの罪に問われることなく逆に報奨金を貰えること、取り調べ結果により確定した報奨金は冒険者ギルドに預けておくことなどを聞く。
盗賊3人、うち1人は死体、を衛兵たちが連れていき、家に静けさが戻る。
落ち着いたところで、サラが2人に魔剣とのやり取りを共有する。
魔剣の悪魔が人の魂を得たことで会話できるようになったこと、水精霊シルビーのときのように魔導書を貰って≪契約≫をしたこと、今後も血や魔石を捧げつつ、サラの故郷近くの祭壇に向かうように指示を受けたことなど。
「それでサラはどうしたいの?」
「気になるし故郷に帰りたい」
「なら付いて行くわ。ハリーもよね?」
「もちろん」
「なら、この借家も返さないとね」
「ありがとう、2人とも」
再度寝直して、起きたら借家の返却手続きをしに冒険者ギルドに行く。また帰宅する保護者との3ヶ月の約束も近いため領都への護衛依頼を探すことにする。
受付では、まず
「皆様、銅級冒険者への昇格、おめでとうございます」
「え?どういうこと?」
「討伐実績以外の基準も満たされたので昇格になります」
「?」
「銅級以上になるには、魔物だけでなく盗賊など人への対処が問題なくできるかも必要になります。護衛依頼などで盗賊を相手するときに躊躇すれば依頼主の危険につながりますので。この基準に付いては、あまり広めないようにお願いします」
先輩ヘルムたちは基準を分かった上で、人を殺せと若い3人に言いたくなかったのだと理解した。
3人分の身分証明書を銅に交換するのに合わせて、盗賊捕縛の報奨金、金貨2枚を貰う。
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