第365話 魔法戦闘訓練

サラが発動した≪氷壁≫3面の中にいるエミリーは、

「この後にどうするの?」

と言うので、当初の予定通り≪衝撃波≫≪魔力矢≫を発動して攻撃をするも、エミリーは≪結界≫で自身を守ってしまうので、効果が無い。

「この後は?」

と言われ、攻撃力の高い≪氷槍≫や≪火槍≫で複数同時攻撃しても≪結界≫を越えることはできない。≪熱湯≫をエミリーの上方に発現させて落としてみるも、≪結界≫の中には流れ込むことは無かった。


「終わりかな。今度は私ね」

とエミリーが言い、≪氷壁≫がサラの真横にでき、身動きできないぐらいに囲まれる。

さらに≪衝撃波≫が来てダメージを受ける。慌てて≪結界≫を張ろうとするも、エミリーの≪氷壁≫が邪魔をして思った形で≪結界≫を形成できない。何とか形成できた≪結界≫もなぜか消滅させられて、さらに≪衝撃波≫でダメージを受ける。


「こんなところかな」

と≪氷壁≫も解除されて、エミリーが近寄り≪治癒≫をしてくれる。その上で

「反省点は?」

と言われるので

「魔法発動の精密さと速度かと。あと、魔法消滅の何か」

「そうだね。≪氷壁≫を相手にぴったりと精密につくること、≪結界≫を自分にぴったりと精密につくること、相手の魔法よりもすばやく作ること。あと、相手の魔法を消滅させる魔法は後で教えてあげるね」


ミーナを含めてハリーもリリーも、最近のサラの魔法のすごさばかりが見えていたので、あっさり手玉に取られるサラを見るのは吃驚(びっくり)であった。せめてもう少しは善戦すると思っていたのであるが、さすがにサラの師匠のエミリーである。


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