第778話 ダークエルフ村
ティアーヌの発見報告に合わせて、それらしき場所の上空で一旦停止する。
「どこか分からねぇぞ」
「確かに良く分かりませんね」
「あれじゃないですかね?」
ティアーヌとアルベール、リリアナの3人にしか分からないということは、弓使いでもあることによる視力の問題というよりエルフの血を引くかどうかなのであろう。
「で、見つけたのは良いが、どうする?連合軍をここまで連れてくるか?」
「それだと互いの被害も多そうだし、ダークエルフたちも対話してくれないだろうし・・・」
「いったん私に任せてくださいませんか?」
ティアーヌが申し出てくる。アルベール、リリアナのようにハーフエルフでないだけあり、エルフの特徴である尖った耳も明確であるティアーヌが話すことで、何かしら優位に働く可能性もある。
「大雑把なハリーよりも良いでしょうね。ただ、1人ではダメよ」
特徴は少ないながらエルフの血を引くアルベールとリリアナを含めた3人で地上に降りさせ、サラたちはドラゴンなどの≪透明化≫を解除して上空で待機する。
「私の名前はティアーヌ、上空で待機するドラセム伯爵の従士です。話をさせてください」
既に村が発見されたことは認識していたようで、同じく3人のダークエルフたちが村の境界から出てきたのか姿を現す。
「その外見、エルフなのか。我々の集落を発見したのもお前たちか」
「話とはなんだ?追い払うだけではないのか?油断させるための罠か!?」
「この戦いを終わらせることを希望しています。皆さんの希望はダラムの奪還ですか?それともダラムの地の何かですか?」
「ダラムの地に帰って暮らすことが希望である」
「おわかりでしょうが、もうそれは無理です。アルメルス神国の国民が住み着いています」
「何だと!話にならない!」
「いえ、それでは平行線です。本当の望みは何ですか?安息の地ですか?」
「・・・俺たちでは答えられない。村長を連れてくる。待っていろ」
この3人は見張り的な立場の者であったのであろうか、建設的な会話ができる者が来るのを待つことにする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます