第96話 共闘攻略

ある日、冒険者ギルドでハリーは先輩冒険者ヘルムから声をかけられる。

領都で出会い、ハリーを魔の森でお試し訓練してくれたり、オーク村討伐も一緒にしたりなど何かと縁がある先輩3人パーティーのリーダーである。


「しばらくゲレの街を離れることになったから、一区切りとして少し難易度の高めのダンジョン攻略をやりたくてな。一緒にどうだ?」

「冒険者、やめるんですか?」

「え!?あー、違う違う。実家に顔を見せに行くついでに、海など知らないところを旅しに行くだけだよ」

「良かった。ちゃんと帰ってきて下さいよ」

「もちろんだよ」


銅級直前の鉄級冒険者であるヘルムたち3人、Cランク魔物が多いダンジョンを攻略することでCランクと同等戦力の銅級と認められてから旅立ちたいと狙っているとのこと。

ハリーたちも少ししたら銅級を視野に入れられると考えており、少し上のランクのダンジョンに挑戦するのは望むところである。


早速サラ達と相談し、その気になるハリーたち。既に縁もあるヘルムたち3人であり、人付き合いが苦手なサラも安心である。



冒険者ギルドの閲覧室で6人集まり、目標とするダンジョンについて調査しながら相談する。ギルドの資料をスムーズに読めるのはサラとリリーだけであり、先輩3人も読み書きは得意では無かったようである。

狙いは、Cランク魔物が多いが、Bランク以上は出現情報がないダンジョンである。あてはまるダンジョンは1つしかないが、そのダンジョンの情報は少ないものであった。地下の古代遺跡の形状であり、アンデッドが徘徊しているというダンジョンであった。Eランクのスケルトン、Dランクのスケルトンソルジャーやアーチャー、ゾンビ、そしてCランクのマミーやゴーストが出現するという情報である。


火によるダメージを期待して、松明や油壷は多めに持参することにする。

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