第173話 悪質冒険者
倒したホブゴブリンを難癖付けて横取りした上に金貨も取ろうとする他冒険者たち。どちらにも証拠が無いまま水掛け論になるのが分かっていて、若い4人を脅している。
サラたちはCランク魔物だけになり効率よく成長できるはずの21階以降に早く行きたいので、こんなことに対応する時間がもったいないと思っている。
魔剣ストラデルはサラに『やってしまえ』と唆してくるが無視して、
「金貨を払ういわれはないけど、死体3体ぐらいはあげるわよ」
と、サラは遭遇前にもともと進もうと思っていた方向に歩き出し、他の3人にも身振りで一緒に、と示す。
「待てよ、チビたち」
と言われても無視して進む。
悪質冒険者たちも、これ以上無理に何かしてこちらから戦闘をしかけても、万が一の時に立場が悪くなるし、死体3体を苦労なく入手できたので良しとする。それよりも、また同じやり方で次のカモを探しに行った方が良いと、深追いはしない。何度もこのやり方をしているため、落としどころも慣れたものである。
しばらくして声も聞こえないであろうとなったときに、
「なんなのあいつら!何であげる必要があったの?」
「何でやっつけなかったの?」
というリリーやカーヤに、サラが
「時間の無駄でしょ。さっさと次の階に行きましょう。それにカーヤはこの街でまた出くわすかもしれないのに、こじれたら面倒でしょ」
と返し、
「それもそうか」
とハリーたちは気持ちを切り替える。
それからは、今まで以上に敵よりも他冒険者に注意を払い、トラブルにならないようできるだけ避けることにした。休憩時間や野営時にも同様である。
それからまた2日ほど経ったときに、ホブゴブリンとの遭遇が多くなっていると確信できるエリアを発見した。近くにボスエリアと下層への階段があると思われる。
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