第174話 ホブゴブリン村
14階のボスエリアはホブゴブリンの採掘村のようであった。ここでも20匹以上が居るように見えた。
敵数の把握も含めてしばらく遠くから様子をうかがっていると、見覚えのある冒険者たちが3匹ほどで集まっているホブゴブリンのうちの1匹に、遠くから矢を放った途端に逃げ出している。どうやら、自分たちと同じようなカモをつくるための準備をしているようである。
「自分たちで倒せば良いのにね」
「実力的に不安があるんじゃないの?成長がこの辺り、鉄級ぐらいで伸び悩んで、別の道に逃げたのかも」
「Dランク魔物20匹規模を数人で問題なく片付けられるなんて、そんなにいないのよ」
とカーヤは言う。
「俺たちもサラが居ないとここまでは・・・」
とハリーはつぶやく。
「あいつらの矢が刺さっていないホブゴブリンだけ狙いましょう」
と、村を遠巻きに移動し、少ない数でかたまっているホブゴブリンを狙い、遠隔攻撃で釣って順次片付けるいつもの方法を開始した。3回ほど成功した際に、遠くから悲鳴が聞こえてきた。
音を立てないように移動して遠めから確認すると、例の冒険者たちが釣りに失敗したのかホブゴブリン8匹ほどに囲まれて倒れていた。
「自業自得だけど仕方ない。生きているか分からないけど、やっつけよう」
と遠隔攻撃を開始する。2匹まではサラの≪火炎≫並行発動、リリーの弓≪連撃≫、ハリーの投擲短剣≪穿孔≫の繰り返しで倒せたが、残り6匹は接近を許してしまった。ある程度開けた場所であるため、ハリーとカーヤだけでなく槍に持ち替えたリリーが前衛となり、相手の4匹を食い止める形になっている。残り2匹も含めてハリーの≪挑発≫の影響で、隙があればハリーに近寄ろうとしている。
4人とも魔法や武技を惜しみなく使いつつ、ハリーには傷回復薬を与えてしのぐことにより、6匹も倒しきることができた。
魔力回復薬や≪治癒≫と傷回復薬を使用しながら、例の冒険者たちのそばに駆け付けて確認するも、既に事切れていた。
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