第506話 帝国魔物退治2
アンデッドに占拠された村を遠巻きにして、複数いる魔法使いの様子をうかがう。
遠目で見ても屋外に居るのはアンデッドのみであり、生者である魔法使い達はどこかの屋内に居るものと思われる。
またスケルトンやゾンビなどを倒していると出てくると思うしかなく、仕方ないので遠方からアンデッドに対して魔法攻撃を行う。火魔法が効果的ではあるが村の建物まで焼くことは避けたいので、天使マルカルロによる≪浄化≫と、火以外の水・風・土属性の攻撃魔法を中心に非効率ながら確実に数を減らしていく。
もとが小規模な村であるので住民の数も多くなく、当然にアンデッドの数もそういう数であるため、屋外に徘徊するアンデッドの殲滅(せんめつ)はそれほどの時間をかけずに終える。
逆に勢いが良すぎて警戒されたのか、魔法使い達は屋外に出てこなかった。
しかたないので、もともと村長の家であったであろう他より大きな建物にあたりをつけて、皆で取り囲む。もちろん他の家から魔法使いもしくはアンデッドが出てくることに備えるため、ある程度は外側への警戒を行う。
結局国境橋では使用する機会が無かったウッドゴーレムを囮(おとり)にするため起動し、村長宅の入口の扉を強引に開けさせる。
すると想像通り扉を開けた瞬間に複数の魔法攻撃が中から入口に向けて放たれ、ウッドゴーレムは燃え上がってしまったがそれ以外の被害は無い。
「はめられた!」という叫び声も中から聞こえてくるが、姿を現す気配はない。
念のために投降を促すと、彼我の戦力差を認識したのか2人の黒ローブが歩み出てきて、魔法発動体の杖と思われるものをそれぞれ地面に置き、両手を上にあげている。
「そのまま前に進み出ろ」
という言葉に従い、杖の位置から離れさせる。
「お前たち2人だけか?」
「そうだ。命だけは助けて欲しい」
「村人全てをアンデッドにしておきながら・・・」
と、一番敏捷に動けるハリーが縄を持って2人に近づく。当然屋内に残っていて隙を狙われると覚悟しての行動である。
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