第455話 ティアーヌ事情2
今度はティアーヌが
「長くなるが聞いて欲しい。特に2人には」
とアルベールとリリアナを指差す。
自分はエルフであり、もともと森の奥のエルフの村で生まれ育った。
子供のころにお世話になり姉と慕う美しい弓の名手がいた。この魔弓も元々は彼女が貸与された村の宝物であった。
その彼女が交易のために村を出た際に、悪魔教団に襲われたと聞いていた。
私はそれから魔弓を引き継げるほど成長し、教団の証であるメダルを持って仇を探す旅をしていた。
そのメダルも今回の騒動で取り上げられてしまったが。
その騒動は、長い旅の末、ようやく見つけた彼女を襲った悪魔教団メンバ相手であった。
他の村人をかばって力尽きたところで連れ帰ったと言ったのである。ただ、回復した彼女は逃げ出したらしいが、どうせ今頃どこかで野垂れ死にしているだろうと言われて激情にかられて、相手を殺してしまったのが今回の騒動である。
ようやく仇を討ったと思っていたところに、彼女にそっくりなこの双子に会ったのである。しかも少しだけだが耳にエルフの血が混ざった気配があるということは、彼女がどこかでこの子たちを産むまでは生きていたということであろう。
との説明であり、
「血は繋がっていないが、甥と姪のように思える双子と一緒に居させて欲しい」
との話であった。
アルベールとリリアナの方も、自分たちの出自が分かり涙ぐんでいる。
詳しい話はまたあとで、とミーナとリリアナに、再度ティアーヌを風呂に入れるよう指示をし、人数が増えた夕食を取ることになった。
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