第799話 王国魔術師団指導2
「では、皆さん、どの魔法が見てみたいですか?」
「俺は≪転移≫を経験していないから、あれを見てみたい」
「いや、見たとしても習得までは遠いどころか、できるのか?それよりも現実的だが、魔術師団では誰もが未習得というあたりが良いのではないか?」
団員たちも、自分が魔法習得するにあたり実物を見ることでイメージをつかむことが重要であることは重々認識しているため、色々な実演をして貰える機会は貴重である。
「では、初見の方もいらっしゃるようですので、上級魔法を一通りで」
「「おぉー」」
魔術師団において、いくらサラの指導がこれまでにあったと言っても、火風水土光闇の6属性で上級魔法を使える者は非常に限られている。もし使えたとしても複数属性というのは少ないので、自身が見たことが無い魔法が多くあるはずである。
サラは自身が習得している6属性の上級魔法、火≪火槍≫≪豪炎≫≪炎壁≫、風≪雷撃≫≪浮遊≫、水≪氷槍≫≪氷結≫≪氷壁≫、土≪岩槍≫≪石壁≫≪泥沼≫、光≪大照明≫、闇≪大夜霧≫を順次発動する。
途中から、特に初見の団員たちは驚きで言葉を無くしていた。それ以外の者でも、必死にイメージをつかむために真剣に発動していく魔法の動きを注視している。
では最後に、と言って6属性それぞれの精霊、火精霊ヨルバ、風精霊ジョステル、水精霊シルビー、土精霊ペクトーン、光精霊メスメレン、闇精霊ヴアル、そして天使マルカルロを≪召喚≫して終わる。いくら遠慮しなくなったと言っても、悪魔たちは問題になりえるため今回はやめておく。
精霊や天使を実際に見たことがある者もそうそう居るわけでないので、実在すらも疑っていた者も魔術師団員とはいえ居たのかもしれないが、現物を見れば疑う余地もない。
「王都東北の代官地には彼ら6精霊や、ミネルバ神と天使たちの祭壇もありますので、興味があればお参りくださいね」
精霊や天使など霊的存在は魔石等による魔力の吸収だけでなく、祈りを受けることで力を増すことを踏まえての布教活動でもある。これぐらいは団長も許可してくれるだろう。
「あと、ドラセム商会では上級魔法も含めたスクロールを販売していますので、そちらもお願いしますね」
さすがにこれには団長も苦笑いであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます