第1022話 海龍リヴァイアサン
サラ達が浮かぶ前に、鎌首をもたげたリヴァイアサンが進み出てくる。
「海龍リヴァイアサン、ここで引き返して貰えないかしら」
「ならぬ。我が子への仕打ち、責任を取らせねば」
「このままでは互いに被害が広がるわ。眷属達もかなり減ったでしょう?」
「そなた、人の身に過ぎる力を持ち合わせているようだが、我には及ばないぞ」
「やってみないと分からないわよ。窮鼠猫を噛むってご存知?」
「笑止!」
巨大な口を開けたリヴァイアサンが仰け反ったと思えば、港に向かって海流を吐き出す。サラ達は空中で回避したが、地上にいたアルテーラ軍たちはそのまま島の中の方に押し出される。津波のようなものであり、流されてはいてもその水流で死亡したものはほぼ居ないと思われ、逆にこれからの激闘に巻き込まれない場所まで逃したのかとも思える。
「あんな海流を止める結界はとても構築できないわね。手当たり次第にやるわよ」
海流を吐き出した後のリヴァイアサンは、自身の周りに無数の≪氷槍≫を浮かべ、サラの仲間達に飛ばしてくる。回避もしくは≪結界≫などで避けつつ、こちらからも無数の炎魔法≪爆炎≫≪豪炎≫≪火槍≫を中心に風魔法≪爆雷≫土魔法≪岩槍≫などが発動されていく。しかし、リヴァイアサンの鱗は流石に頑丈なようで単なる上級魔法を単体では傷がついた気配も無い。
神級火魔法≪溶岩≫、神級風魔法≪竜巻≫は効果があるようだが、それを発動できるものは少ない。神級土魔法≪地震≫は津波となって味方にも被害がありそうであり、王級土魔法≪重力≫でリヴァイアサンの動きに制限をかけるのが精一杯である。
サラ達が苦労して少しずつ攻撃の成果を積み上げている状況にも関わらずリヴァイアサンはまだまだ余裕があるようで、≪氷壁≫を数多く浮かべて攻撃魔法を防いだかと思えば、≪霧氷≫で範囲攻撃をして来て、それを回避する者が多いと見れば≪氷結≫を多数同時発動して来る。
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