第342話 魔道具魔法陣

カーラはサラの質問の意図が分からず聞き直す。

「どういう意味かな」

「例えば、この灯り台の魔道具の魔法陣と、光魔法の≪灯り≫の魔法陣、何が違うのかと」

「灯りだったら、そんなの同じじゃないの」

「なら、魔道具でしか見たことが無い魔法陣の魔法も、自分で発動できますかね」

「!?、それは面白い!」


さっそく、サラもカーラも使えない≪帰還≫リターンという手元に物を呼び戻す魔法だが、その魔法陣がパーティーメンバの魔道具にはあるので、その魔法陣から魔術語を解読して行くことにする。

使われている魔術語は空間魔法の系統のようであり、魔術学校の図書館の魔術語のコーナーから字典なども借りて来たり、サラの空間魔法の魔導書と照らし合わせたりして研究を進める。

その結果、狙った物を呼び戻すためには魔法の発動対象を特定する必要があるのだが、魔道具の場合は魔法陣を刻むことで対象特定をしているのに対して、魔道具ではない単純な魔法の発動では≪炎付与≫などのように対象特定のための意識が追加で必要とわかった。

一部では伝承されているのかもしれないが、一般的ではない≪帰還≫リターンの空間魔法の確立できた。おそらく中級魔法に区分されると思われる。


さらに、ハリーの所持している筋力向上の魔道具も目標にする。

この魔術語は火風水土光闇の6属性のどれとも似ていなく、しいて言うならば回復魔法に近いので、そのあたりの魔導書や魔術語の字典を借りてきて研究する。

≪筋力向上≫の魔法としてまとめるにあたり、分かったこととして、まさに回復魔法のように自分の魔力波長と相手の魔力波長を合わせること、それにより効果を得ることが必要であり、回復魔法と体術という武技の組合せのような感じであった。

この≪筋力向上≫は難易度を踏まえると初級魔法に区分されると思われた。


これらから、魔道具にあった魔術語と魔法陣を通常魔法のように発動することができることが分かった。

さらに武技でも体術などは魔法で実現できる可能性も感じられた。


効果的な魔法習得方法ではおおごとになったことを懲りたので、サラはカーラと師匠エミリー程度にしか話さないようにしようと思う。

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