第386話 ハリー誕生日

魔術学校では、フェルールに、1人だけ仲間外れにされた、自分もまた一緒にダンジョンに行きたいと拗(す)ねられた以外は特に問題は発生せず、月日は流れる。


その間に、アルベールとリリアナは≪氷刃≫と≪火炎≫という中級の攻撃魔法を習得して、ハリーとミーナの指導のもと、王都ダンジョンも11階に到達している。武技もそれぞれ≪挑発≫と≪穿孔≫を習得し、ともに鉄級冒険者になり、それぞれ魔術師委員会に属することになった。

鉄鉱石の坑道である11階に到達したことから、ツルハシを与えて採掘にも挑戦し始めている。


またサラも学校長との個別指導の中、魔法の発動速度の短縮、精度の向上、状況変化に対する反応速度の向上などを行いつつ、火精霊ヨルバの指導での上級魔法≪炎壁≫≪豪炎≫の習得を行う。≪豪炎≫を範囲攻撃にしたものが王級≪爆炎≫であり、先を楽しみにしている。

さらに、学校長は中級風魔法の≪消音≫という、ある範囲の音を消す魔法を実演した上で魔導書を貸し出してくれる。詠唱をする初級魔法使いなどには意表をつけるので有効であるとお墨付きである。サラは冒険においても色々と使えそうであると思うのであった。



その途中にあったハリーの誕生日は、最近のように少し良い食事をするだけとなった。

ただ、最近あったカーヤが成人の誕生日であったように、ハリーも今回が14歳で次は成人となるので、妹であるリリーから問いがくる。

「ハリーはあと1年で成人になるけど、今後はどうしていくつもりなの?」

「最近は盾の王級武技≪受崩≫を習得できたし、まだ上を目指せると思っている。魔法はあまり向いていないみたいだけど。それに最近は従魔の飼育や、後輩の指導も楽しく思っている。うーん、だから何?なんだけど、まだこのままで続けたいかな」

「まぁ、それでもいいんじゃない。サラの従士長みたいなものだしね。将来も困らないでしょ」

「なんだよそれ。まぁ外から見たらそうなのかな。でも俺は難しいことが分からないから、家宰(かさい)みたいなことはできないからなぁ」

「そうね、貴族としての付き合いとか分かっている人が必要になるよね、そのうち」

「サラが卒業するまでに、寄親とかから話が来るのかなぁ・・・」

「ま、頑張れるところを頑張るしかないわね、お互い」

「そうだな」

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