第599話 アルテーラ道程2

予定通りトリストフ達6人が先に出発し、その1日後にサラ達6人が出発する。

大きな街道のため魔物や盗賊の影響もなく順調に西に向かう。ただ、途中にある街ごとに冒険者ギルドに寄り、精霊の祠の情報を求めながら、魔道具屋で魔剣や魔導書も探すがめぼしいものは無いことが続き、気落ちしていた。


それもあり、夜の暇になったときには余計に魔法訓練に力が入り、サラは転移陣を魔力で描く練習をする。これは、一度習得すると、行先の座標部分以外では転移する大きさ、つまり魔法陣の大きさごとに込める魔力が変わるだけで、汎用性が高い上に即時性も高いものである。


ある程度習得できたときにティアーヌの誕生日になったため、風精霊ジョステルの祠の位置情報を天使マルカルロの協力で把握し、そこにいったん転移した後にティアーヌの故郷のエルフ村まで≪飛翔≫で行き、皆に顔を出させることにした。

もちろんエルフ村に近い、サラの父や兄たちのいる龍の爪先村にも顔を出しておく。これにより、エルフ村と龍の爪先村の座標も把握でき、いつでも帰省ができるようになった。



そうこうしていると、アルテーラ王国への途中にある大きな街フォスダンにたどり着く。ミケラルド商会でも配達先に指定されていた支店のある街であり、量に驚かれつつ荷物を渡した後に寄った、ミケラルド商会の系列の店舗ではそれなりの魔剣がいくつか購入できた。それでもやはり魔導書はめぼしいものは無かった。


次にめぼしい魔剣が購入できたのも、ミケラルド商会の配達先でもあったモンブールの街である。これは、コルマノン王国の西の端、アルテーラ王国の手前の街であり、東でのレーベルク帝国の手前のロワイヤンのような街であるため、城壁が高く立派な城門がある城塞都市である。

また、アルテーラ王国への対抗でもあり、軍港もある港町でもある。

しかし、ラブリニーの海賊騒ぎの真相は広まっていないのか、非常に平和な街中であった。

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