第598話 アルテーラ道程

コルマノン王国の王都ワーズからアルテーラ王国の王都ゴルガへは通常の馬車で2ヶ月、10週間、60日ほどかかると言われている。サラたちはバトルホースで移動するため、おそらくその半分の30日ほどで到着できると見込む。


それでも旅立てばすぐに帰る距離では無いため、家宰ローデットに多くのミスリル貨を預けておく。金貨3枚程度で従者1人を1年雇用できるとされており、ミスリル貨1枚が金貨100枚であるのでだいたいのことには対応ができると思われる。それでも何かあった場合には、水精霊シルビーによる伝言をリリーもしくは≪召喚≫できる魔術師団メンバに頼んでもらうことにする。いざとなれば≪転移陣≫で王都に帰ってくるためである。


冒険者が12人で他国に行くのはそうあることでは無いので、二手に分かれることにする。

トリストフたちは、家臣の自分たちが先行して安全を確認すると言い張るので、1日遅れでサラたちは出発することにする。

ただ、見るものが見れば、バトルホース程の立派な馬が6頭揃っている集団が続けて通るわけであるから、同一集団とみなされる可能性はあるのだが、そこは諦める。

この2グループ同士も水精霊シルビーによる伝言を定期連絡手段に決めている。


コルマノン王国の王都ワーズからレーベルク帝国の帝都タウバッハへの道と同様に、アルテーラ王国の王都ゴルガへの道も大きな街道として整備されているため、魔物や盗賊の類は少なく、途中途中には大きな街があると聞いている。

サラは、仲間たちの武器・防具になるような魔道具や自身が興味ある魔導書なども街々で探しつつ、土・光・闇精霊の祠についての情報収集を冒険者ギルドで行うつもりである。

それに対してハリーは新しい食材や料理に出会うことを、ミーナ、アルベール、リリアナは純粋に見知らぬ土地を見てまわることを楽しみにしているようである。ティアーヌはアルベールとリリアナの双子が楽しそうであればそれで嬉しいので、それで良いみたいである。

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