第899話 新年パーティー2

急に閲兵式の宣言をされ、明日の準備をしないとと皆が引き上げる中、サラは官僚に声を掛けられる。

「ドラセム侯爵、全員がそろった後に従魔のドラゴンも連れてくる準備をお願いします」


意図を図りかねてローデットにも相談するが

「分からないですね。言われたようにするしかないですね。それよりも、です」

と、事前に言われていたことではあるが、この後にはドラセム侯爵家としてのパーティーも控えている。


サラはもう寄子でなくなりはしたが元寄親のヴァーヴ侯爵へ年始のプレゼントを、仲間の鍛冶職人カーヤによる武器という手続きは行った後、代官地に移動する。

ドラセム侯爵家の規模も大きくなり、王都内の本宅の庭では入りきらないので、代官地の別邸の庭で大規模のパーティーをすることになったのである。

誕生日が不明であった孤児たちの誕生日を1月1日に設定していることで、彼ら彼女らの誕生日祝いをするのと、8歳になった子供たちの職業訓練先を決める日でもある。

今年は男女3人ずつが8歳になったのだが、いずれも代官地での文官を希望するという。開拓が進み移住希望者が増えてきた代官地であるので、そこの管理を手伝って貰えるならばありがたい。地頭が良い子たちなので期待している。


それら毎年恒例イベントと今年は違うのは、ドラセム侯爵家にも寄子が出来たからである。自身がヴァーヴ家の寄子であった時には寄親のところに行ったように、今年は寄子を迎えてのパーティーになるのである。

とはいうものの、ターフルダ侯爵一派の関係でのドタバタも含めて日ごろから顔を見ている騎士爵5人相手なのでそれほど構えるものではない。


順番に新年のお祝いと、昨年末のターフルダ侯爵一派との無事の解決について話をし、家臣団でも隊長級の者を中心に会話をしている中で、リスチアン騎士爵から話を切り出される。

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