第478話 出陣準備

謁見が終わり、グーモンスから

「機密情報のため、事前に話をすることは許されておらず、申し訳ありませんでした。ヴァーヴ伯爵のご指示で、ドラセム子爵を連れ帰るようにと言われていまして」

と謝罪がある。


サラは結婚話と早とちりしたことは置いておいて、父兄のいる故郷でもあり師匠も居るヴァーヴ伯爵領が危険にさらされるのを避けるため、役に立つならば再度戦場に赴くしか無いと腹をくくる。


再度ヴァーヴ伯爵邸に戻り、執事に指示に基づきヴァーヴ伯爵領に出立する旨を伝え、また物資輸送を行う旨を申し出る。具体的な日程は別途相談するにして、まずは、の申し出である。



その後は屋敷に戻り、隣人カーラも含めた全員と話をする。

非戦闘員の使用人であるローデット達5人が留守番になるのは当然として、今回もカーヤは鍛冶屋を優先するという。リリーは故郷と職人を悩むが、従士が大量に増えた今は職人を優先するとのこと。

トリストフ達12人に元暗殺者は従士前提であり、本人たちも行くつもりになっている。ミーナ、アルベールとリリアナは前回と同様に行くつもりであり、ティアーヌは人間の戦争には興味がないがアルベールとリリアナが行くならば一緒に行くとのこと。

ハリーは従士長として最初から行くつもりとのこと。

前回の6人と違い、大幅に増員された18人であるが、ローデットに言わせると、子爵ならばもっと動員することも普通とのことである。ただローデットは、量より質でドラセム家の18人は他家を圧倒するであろうことを告げていない。


出陣メンバが決まると、あとはいつものように不在時のための魔法回復薬やスクロールの作成、納品先の商会への挨拶などである。

いつ侵攻されるか不明なため、準備には時間をかけられないので、ヴァーヴ伯爵家の荷物がまとまり次第の出発になる。


その間にサラの成人祝だけ、少し前であるが豪勢な食事会として実施したが、いまだに結婚などは考えられず、今の延長としか言えないサラであった。

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