第316話 魔道具基礎

学校3日目は、魔道具の基礎の授業であった。

クラス担任のガリレード先生は、≪灯り≫の魔道具を持参して来ていて、≪灯り≫を点けたり消したり実演をしてから、学生に回覧させながら、説明を始める。


魔道具はこのように、使用者が魔法の発動をすることなく魔力による効果を得る道具である。

使用者が魔法を発動するのではないため、魔力の効果を得るための魔術語、魔法陣が必須であり、魔道具のどこかにはその効果を表す魔法陣が小さく書き込まれている。使用者の魔力を使わない、もしくは効力を上げるために魔石が組み込まれていることもある。ただし、この魔法陣や魔石は見えないように隠蔽されていることもある。


魔法発動体は一番身近な魔道具の一つである。

その他にも、魔力を込めると炎をまとう剣のような魔剣と呼ばれるものや、使い切りの強力な魔法を込めた指輪など戦闘に使用するものや、この光源のように生活を便利にするものなど色々とある。

砕いた魔石を混ぜたインクで羊皮紙に魔法陣を書いたスクロールも使い捨て魔道具の一つである。


生活魔道具の多くは、魔力操作ができない人でも使えるように、魔石を交換して使えるようになっており、素人でも魔力を使い切って無色透明になった魔石を、赤紫の魔力のこもった魔石に交換できるような仕組みになっていることが多い。そうでない場合は、魔道具屋など専門家に依頼することになる。


昨日話したように宝石は魔力と相性が良いため、護符的なものなどは特にアクセサリーやジュエリーなどの形状のものも多い。


錬金術師や付与魔法使いにより現代でも魔道具を製作できる者がいるが、珍しい魔道具は古代遺跡からの発掘品であることも多い。



以上の説明の間に、サラは回覧で回って来た≪灯り≫の魔道具を鑑定すると共に、魔法陣をメモしておく。

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