第66話 襲撃

エミリーは、サラの母親ローラに会いに来て、辺境の村で泊まっている。


初日、夕方になり帰ってきたローラの家族、夫レオン、長男ダン、次男ジンの3人と挨拶をしたところ、田舎らしく、ローラ夫婦と一緒に村長に挨拶に行くことになり、そのまま村をあげての歓迎会となった。


翌日から家族5人と一緒にエミリーも狩りに同行し攻撃魔法などで獲物をしとめた。

レオン達は男性3人だけで狩りをするだけでなく、家族5人で出かけて末っ子のサラにまで気配察知や罠作成などを仕込んでいた。ローラも魔法使いというより、すっかり狩人であった。

12歳と10歳になる兄たちは父に似て明らかに肉体労働派であったが、5歳になる妹は頭脳労働派に見え、少しでも合間があるとローラやエミリーに魔法の話を含めて、あれは何故と何でも質問してきた。



村生活4日目、村はずれの川での洗濯や畑仕事をするというローラとサラ以外、男3人とエミリーだけで狩りに出かけた。エミリーたちが夕方に帰宅してもローラたちが居ないので近所を探し回ると、川縁で2人を発見した。戦闘痕跡のなか、背中が焼け焦げて事切れていたローラと、その体の下で意識を無くしていたサラを、である。

急ぎ回復魔法と魔法回復薬をサラに与えることで意識を取り戻したが、左目から左胸までの火傷痕は消えなかった。


怒りに燃えるエミリーやレオン達を含めて村総出で辺りを捜索するも、2人を襲撃した者の痕跡は確認することができなかった。ローラの魔法研究関係の全てが盗難にあっていることが確認されたぐらいである。

2人を発見した川縁には火魔法の痕跡だけであった。ローラは火魔法が得意であったが、その他にも世の中的には研究が進んでいない悪魔魔法を探求することで学者として一人者になりたいと言っていた。そのローラが放ったのであろう火魔法と、ローラの背中やサラの火傷痕の火魔法は別物であり、敵も火魔法を使用したぐらいしか判明しなかった。

サラに聞いても昼寝をしていた時のようで、気がついたらレオン達に囲まれていたとのことであった。

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