第444話 飛竜ワイバーン
なぜか帝都の冒険者ギルドの訓練場で、ワイバーンと1対1で戦うことになっているサラ。事前に説明が無いまま対峙させられて、戦うのだろうと推定しているだけであるが、確実であろう。
そしてテイマーが安全圏に離れた後、全力で戦え、とワイバーンにテイマーが合図をしたことで戦闘が開始になる。
合図とともにワイバーンが大きく息を吸い込んだので、危険を察知したサラは≪飛翔≫で上空に逃げるのと同時に炎のブレスが訓練場に広がる。
サラは上空に上がると同時に水精霊シルビー、火精霊ヨルバ、天使マルカルロ、悪魔ストラデルの4体を召喚する。天使と悪魔は姿を消してである。もうこの一連の動作は慣れたものであり一瞬で出来るようになっている。
念のために先に≪爆炎≫を当ててみても火魔法は効果が感じられないので、ヨルバはダメージよりも注意をそらすために顔面付近に≪豪炎≫などを当てるようにする。
明らかに火属性であるワイバーンには属性の相性的に水属性が強いはずであり、サラ自身は≪飛翔≫で攻撃をよけながら、シルビーとマルカルロとストラデルと共に≪氷結≫≪氷槍≫を同時発動する。
ワイバーンも、ブレスが回避されるとすぐに上昇しサラに噛みつこうとするが、≪飛翔≫で避けられる。
多数の水魔法によるダメージで動きが弱まったワイバーンに対して、今度は≪氷壁≫でサラとの間に天井をつくり、さらに壁面を作っていき、逃げ場を無くしたところで、≪氷結≫≪氷槍≫によりとどめをさす。
安全を確保できたところで地上に降りてきて、魔剣ストラデルで喉元を刺した振りで魂を吸収させた後に魔法袋に死体を回収する。
「交渉再開は明朝ということでよろしいですかな?」
という王国外交官モンブリー伯爵に対して、苦々しく頷く帝国外交官ヘルネ伯爵であった。
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