第299話 入学前平日

翌日からの平日、火風水土の4日の午前中は店舗を開く。高級品や中級上位を生産できるサラ、リリー、カーヤの3人は商品の生産や、リリーとカーヤの2人は手入れ依頼への対応を行う。


店舗をミーナたちに任せて、ハリーとカーヤが入手した鉄鉱石を精製しに、商業者ギルド鍛冶委員会に大鍛冶を使いに行くこともする。ただ、ここでの大鍛冶設備は先日の坑道ダンジョンほど高品質ではないので、出来上がったインゴットも中級品が多く高級品は少なかったので、鍛冶能力の向上を図ることも考えながら、また坑道ダンジョンに行くことを悩んでしまう。ただ往復で10日ほどかかり学校が始まると難しいので、地道に鍛冶能力の向上を考えるべきとカーヤは考える。


リリーとミーナが店舗番になったときには、合間でミーナに皮革処理を指導して羊皮紙は1人で作成できるぐらいの初級にまで育て上げる。初級魔法のスクロール作成は、サラでもミーナでも同等の物が作れるようになるため、魔法回復薬の調合より優先することにしたのである。


また、しばらくは王都ダンジョン11階の鉄鉱石の坑道に、ハリーとミーナ、可能な時はカーヤも参加して、ひたすら採掘をすることで、ハリーは中級手前、ミーナは初級まで技能を習熟する。


サラは鑑定の訓練をしたいのだが、他人の店舗の商品や、他人の装備を勝手に鑑定するのはマナー違反のため、冒険者ギルドの訓練エリアにある武具や資料室にある物品を対象に、時間ができれば足を運ぶようにした。またそれも一通り鑑定できてしまうと、自作の魔法回復薬を納品する交渉をしに魔道具屋や雑貨屋に行き、交渉締結されたところでは勉強のために店頭商品の鑑定の許可を貰うようにして、訓練をするようにした。納品が決まったところにはミーナも連れて行き、納品には彼女が来る可能性も伝えておく。



魔術学校が始まると平日午後を全員での王都ダンジョンの攻略と考えているが、往復時間の効率が悪いため、今週はハリーたち一部メンバによる11階の採掘のみにとどまった。

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