第737話 神国交渉3
神国や至高教団の幹部の行動にはかなりな疑問があるものの、その国民たちの危険を放置して良いとはならない。
「ドラセム伯爵、そなたの仲間たちだけで撃退はできそうなのか?」
「王都に居るメンバも呼び寄せれば、一時しのぎにはなると思います。ただ、後ろに控えている軍団の規模が分からないのですが、おそらくはあくまでも一時しのぎでしかないかと」
「一時しのぎをすれば神国の自力で対応できそうか?」
「最東のアルスターの街から首都ダラムの間、首都ダラムから辺境都市ロージアンの間しか知りませんが、そこで見た冒険者や軍隊の規模ではとても・・・」
「うーむ、もし神国が魔物の軍隊に侵略されたら、どうなるか」
「コリサ大陸から我々ユノワ大陸へまで侵攻してくることはすぐさまにはないでしょうが、人類としての衰退につながるかと」
「コリサ大陸にあるガーライト王国や他の国はどうなるのか」
「ガーライト王国も一部しか見ていませんが、残念ながら陸軍に力を入れていないようなので、コリサ大陸を追い出されたら、数ある海軍でユノワ大陸に避難してくるかもしれないですね」
国王からの投げかけに宰相やサラたちが応える形で議論は進むが、改めて望ましくない状況であることだけが浮き彫りになる。コルマノン王国として、すぐさまの直接被害は無くても間接的な被害がじわじわとありそうなことと、そもそも神国の国民たちを見捨てる判断はできない。
「ドラセム伯爵、宰相を連れて神国に向かってくれ。宰相は、コルマノン王国による支援を申し出るように。団長たちは援軍の準備を。ドラセム伯爵、援軍の話が整理でき実際に送り込むまで一時しのぎを頼む」
取り急ぎ宰相だけをアルメルス神国の首都ダラムにいる使節団のところへ≪転移≫で連れて行き、その間に家宰ローデット経由で準備をさせている従士団のもとへ帰ってくると、準備ができたものから順に辺境都市ロージアンへ≪転移≫させることにした。
まずはロージアンが取り囲まれていることを踏まえると、外壁の上から攻撃魔法が使用できる者、治癒魔法が使用できる者を優先する。
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