第390話 屋敷襲撃2
ようやく衛兵が来たときには、悪魔ストラデルにそそのかされたサラが、魔剣ストラデルを黒ローブの魔法使いに向けかねないところであった。
仲間たちのほとんどが未成年ということもあり、衛兵は10人の賊たちを詰め所に連れ帰ってから調査する、実態は拷問も行うのであろう、ということで、賊の身元確認の参考のためにも、持ち物はいったん衛兵に預けることになった。
時間帯が時間帯であるので、翌朝に再度衛兵の詰め所で、と言われたので、皆はいったん解散で朝まで寝ることになったが、サラは眠れぬ夜になった。
いつもらしからぬサラの様子について、ミーナはハリーに事情を聞き、水精霊シルビーにエミリーへの伝言をお願いするのであった。屋敷が襲撃され、その中に悪魔教団と思われるものが居て、サラが危ない状況であると。
朝になってハリーが用意した朝食を食べたら直ぐに、サラ、ハリー、リリー、カーラが連れ立って詰め所に向かう。その他のメンバは再度の襲撃も考慮して、待機することになった。
衛兵の方でも昨夜から大騒ぎである。貴族街では無いものの、スラム街でもない一般街区において10人もの賊が、準男爵の屋敷を襲撃したのである。その準男爵たちに実被害が無かったのは幸いであるが、衛兵としては面目丸つぶれであり、賊全てを生け捕りにされているのであるから、完璧に情報収集することは至上命題であった。
自死されぬよう、また口裏をあわされないように、複数人の衛兵が1人ずつ別れた部屋で尋問、拷問をすることになった。
しかし分かったことは、魔法使いを除いた男たちは雇われ者であり、あの敷地の銀髪の少女に大怪我をさせること、死亡させても良い、と帝国訛(なま)りの男から依頼されただけであり、魔法使いは目付としてついて来たとのことであった。その魔法使いも目的達成を見届けるよう教団の上から指示されただけで詳しいことは知らない下っ端であった。
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