第622話 ドワーフ村決闘2

ハリーが一撃も貰うことなく相手の騎士を降したことにより、決着した決闘。

ミーナが相手の騎士に回復魔法をかけている横で

「俺もそれなりにやるだろう?」

と仲間におどけるハリーに対して、

「お前は、騎士爵を奪爵(だっしゃく)してやる!」

と咆える王子。


それを見たハリーは立腹して発言する。

「望みのものは何でも、でしたよね。今回のミスリル短剣をお願いします」

「それは・・・」

「何でも、なんですよね?王子ともあろうお方の言葉が嘘だったと?」

「いや・・・」

「では、私たちはちょうど王都に向かうところです。もちろんサラを王城に差し出すためではありません。まぁ観光ですね。そのときまでに代わりの物をご検討ください。それまでは、その方を案内係にお願いします。もちろん爵位は残したままにしてくださいね。貴族特権の優遇した案内をして貰えるように」

「ふん、分かった」



「私はエドガルド・タカマーノと申します」

と決闘をした騎士爵がお礼と共に名乗ってくる。

「私はハリー。こちらはサラ・ドラセム様、ミーナ、アルベール、リリアナ、ティアーヌ」と順に紹介をする。

「!?銀龍・・・」

とつぶやくタカマーノに気付かず

「もともと冒険仲間なので、サラなど互いに呼び捨てにすることもあるけど、気にせずに」

とハリーは告げる。


ドタバタがあり1人騎士が追加になって7人になったサラたち騎馬隊は王都ゴルガに向かう。進むのが遅い王子たちの馬車たちをほったらかしにして、1週間ほどの行程で王都にたどり着く。

道程において、他人に特殊な魔法は見られたくないため、野営ではなく宿に泊まったときにだけ水精霊シルビー経由でコルマノン王国王都ワーズの家宰ローデット達や、アルテーラ王国王都ゴルガに残したトリストフたちと連絡を取っていた。

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