第425話 夜間砦攻防2

黒ローブは

「よくもやってくれたな。まぁ彼らにはまだ働いてもらうが」

と言い、≪骸骨≫と唱えることで、帝国兵8体をスケルトンとして使役する。


ミーナ、アルベールとリリアナは非常に驚いていたが、ハリーとリリー、もちろんサラも驚くことなく、姿を消している天使マルカルロに≪浄化≫を発動させる。

今度は黒ローブが驚きつつ

「なに!?だが、まだ残っている」

と残りの死体、6体を再度スケルトンにするが、再度≪浄化≫で退治される。


その隙をつき、サラは≪魔法消滅≫で相手の≪結界≫を消去しながら、悪魔ストラデルの≪睡眠≫で眠らせる。装備品諸々を取り上げて手足などを完全に拘束する。


その上で、ストラデルに≪魅了≫をかけさせて尋問を行う。

前回に尋問した魔法使いよりは強かったので、帝国軍での位置づけも上位であることを期待する。


想像通り、帝国軍の兵糧、特に飲料が少なくなり焦りがでているとのこと。

残る魔法使いは20人ほどで、悪魔教団のメンバはここに来た2人以外には3人。≪呪詛≫を扱えるのは自分と、残った3人のうちの2人。8年前にも≪呪詛≫を使えたのは自分だけだが、王国に来たのは今回が初めてである。領民をかばった上等な衣服の男に≪呪詛≫付きの火魔法を使ったのは自分である。

帝国にある教団本部の全容は自分も知らないが、≪呪詛≫が使えるメンバはたくさんいて、王国に偵察活動や裏工作に来ている者は数多くいる認識であるとのこと。


結局、今回の侵攻メンバに母ローラの仇は居なかったようであるが、悪魔教団は帝国に浸透していて、広い意味で帝国が仇であることも認識できた。

この魔法使いを連れ帰っても、前回と同様に街の王国軍では扱いに困るということも言い訳に、サラは魔剣ストラデルで魂の吸収をさせることにした。


リリーがやさしく肩を抱いてくれる。


生者が居なくなった砦で、王国軍と帝国軍それぞれの兵士の死体や荷馬車などを黙々と回収した後は、他の砦にも救援に行く。他には魔法使いも居なかったので淡々と片付ける。

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