第897話 奴隷解放2

大悪魔ファリクスの力を借りて、アルベールとリリアナの不正な奴隷契約を解除できたので2人に今後どうしたいのかを相談する。

「もう自由よ。奴隷契約を悪用されることもないから、ここに居なくてもいいのよ」

「いえ、悪徳商人から助けて頂き、ここまで育てて貰った上に、奴隷契約の解除まで。奴隷と関係なく家臣として使えさせてください」

「サラ様のもとで働きたいです」

「本当に?今後も居て貰えると助かるけど、強制はできないから何かあれば相談してね」


先日のターフルダ侯爵一派のように、ドラセム家の魔法習得の秘密を探って来る者への対抗として、秘密を洩らすことができない犯罪奴隷を仲間にしていたが、この2人の強さならば心配も不要であろう。

そう考えると、先日のターフルダ侯爵一派にも、ドラセム家臣でも文官には秘密が伝わっていないことが知られていたことを思い出す。

「ねぇ、もう罪を犯していない犯罪奴隷は解除したいのだけど」

「え?具体的には?」

「家宰になるときに身を守るためにも自ら犯罪奴隷になったローデットと、同じようにドラセム商会番頭になってくれたクリストンの2人だよね」

「確かに、孤児院を卒業して近衛魔術師隊に入ったり、ドラセム商会に入ったりした子供たちは奴隷契約なしでも問題なかったしね」


ローデットとクリストン本人に相談しても、犯罪奴隷でもドラセム家の中で通常扱いであり困ることもなかったので同じままでも良いとは言われてしまったが、この機会に解除することに同意して貰った。


ただローデットに念押しされたのは、実際に罪を犯したとされた犯罪奴隷と、戦争で捕虜になった戦争奴隷の開放は、世間への反響もありえるのでそれらの奴隷解放は気軽にしてはいけないとのことであった。

本当はミーナたちも開放することを考えていたのであるが、いったん保留にしておく。

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