第906話 求婚2

サラはハリーと2人そろって亡き母ローラの墓に向かったところ、父レオンが1人酒瓶を手に向き合って子供たちの結婚の報告をしているようであった。

無言で頷きあいそっと宴の方に戻る。


急に連れて来た兄嫁予定の2人を≪転移≫でいったん街に連れ帰り、正式には明日に改めて、と告げる。

色々が急に動き出したのだが、その兄たちの結婚についてまず進める。父レオンと3兄妹が揃って嫁予定の家に挨拶に行くため、王都で気の利いたものをローデットに購入して貰い、4人で兄嫁予定の家にそれぞれ訪問する。

何となくは娘たちから聞いていたどちらの両親もすんなり承諾するがその後、義妹になるサラが侯爵である旨を認識した瞬間に不敬をおおげさに謝りだすので止めることに苦労した。

その後、兄嫁予定の2人も伴って、ローラの墓に報告をする。

結婚のお祝いや新居についてはまた別途相談することにして、まずのけじめを終える。


その後が大変である。まず王都に帰りハリーの妹のリリーを連れて、ヴァーヴ侯爵領都サイユに≪転移≫する。サラの師匠エミリーに話を伝えた後、ハリーとリリーの実家の宿屋に向かう。リリー、エミリー、ハリーたちの両親と兄が驚きつつ祝福してくれる。

その他には、王都の隣人カーラや家臣団のようなアッズーラ姉妹、そして近くに居た家臣団や孤児たちにも伝えると、精霊シルビーの祠経由で各地の家臣団たちにも情報が伝わる。


ローデットから、取り急ぎ宰相には報告するように念押しされるので、ハリーとローデットを伴って登城する。

「そうか、君と結婚するのか。おめでとう!」

『第3王子の可能性は無くなったのか。まぁ他国の誰か等、面倒な相手ではなくて良かった』


城から戻るとヴァーヴ侯爵家やミケラルド商会などからも祝辞が届いており、結婚パーティーのことを考えると頭が痛くなる2人であった。

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