第167話 オーク村宝物

大怪我した者はいないが、一応サラが≪治癒≫をかけておく。

その後は、サラが解体しながら吸血を行い、≪骸骨≫のために5体満足の死体2体のみをそのまま、それ以外は肉などの素材に整理した物を魔法の袋にしまう。その間に、倒したオークの武具の類はカーヤ、ハリー、リリーの魔法の背負袋にすべてしまうことにする。途中で入手した鉄鉱石以外にもオークたちの武具程度であればしまうことができた。


解体を続けているサラ以外のメンバで村の中にめぼしいものが無いかを捜索する。予備なのか武具がいくつかとツルハシが複数あった以外には、鉄の地金インゴットが大きな建物で見つかった。村にたたら等の製鉄場所が無いのに、なぜか、ではあるが。


それらすべてを回収した後、下り階段を見つけて14階の光る床から出口に向かう。

出口すぐの買い取り場所で、ここ何日かの成果である素材や回収したオークたちの武具を提出する。1つだけ通常武器ではない短剣があると告げられ、それ以外は売却にする。

サラの作成した13階の地図も複製を販売しておく。


小振りなその短剣の柄をみると小さな魔石と魔法陣があり、魔道具であったようである。魔道具屋で鑑定して貰うと、帰還リターンの魔法が付与されているとのことであった。小振りであり投擲用短剣として利用した後に手元に戻らせるという使い方のようである。

短剣投擲をするハリーが貰うことにした。

サラは自分の魔剣や魔法の袋が盗難にあった時のためにその付与が欲しいと思い、魔法陣をメモしておく。


鉄のインゴットはカーヤの父に見て貰うと、かなり精製度の高い鉄であり、高級以上の武器を容易につくれる程であるとのことであった。

結果、この階層での成果は、魔道具ツルハシと鉄鉱石とインゴットとはカーヤが、魔道具投擲短剣はハリーが、素材や武器の買い取り結果と魔石をハリーとリリーとサラが分けることにした。


皆の武具の簡単な手入れをカーヤの父に頼み、その合間にハリーとリリーは冒険者ギルドの剣士・槍士委員会で中級武技≪剛撃≫を学ぶ。サラは消耗が激しい魔法回復薬のために薬草と薬瓶を仕入れて宿屋で調合を行うことにした。

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