第496話 ワイバーン棲み処2

このままでは切りが無いため、サラたちは奇襲することにする。もちろん通常時では勝ち目が無いため、次のワイバーンと帝国兵が戦闘しているときに横入りすることにする。


しばらく様子を見ていると、次はワイバーンが3頭の巣であった。サラたちは可能な限りの≪召喚≫を行い、≪魅了≫のために前に出た魔法使いがその魔法を発動する前に、≪霧氷≫等を投げ込む。混乱したワイバーン3頭が目の前の帝国兵たちを襲うだけでなく、帝国兵の群れに、精霊や天使と悪魔を含めたサラたちも次々と魔法を打ちこむ。

対抗手段を持たない一般兵士は直ぐに何十人も倒れていくが、魔法使いたちは≪結界≫を張る者も居た。≪霧氷≫の乱発の中で、サラがその敵の≪結界≫を≪魔法消滅≫で消すことで、ワイバーンの炎や≪霧氷≫などによるダメージで倒れていく。


サラたちの方も当然に魔法攻撃や弓矢攻撃をされる。こちらの数が少ないのでほぼ弓矢はあたらないが、怖いのは魔法攻撃であり、≪魅了≫≪呪詛≫などの悪魔魔法と≪火槍≫などの上級以上の魔法が飛んできたときには≪結界≫の壁を張るように天使マルカルロに守りにつかせている。ただ≪結界≫ばかりでは味方も攻撃ができないため、中級以下の魔法は≪結界≫で防ぐのではなく回避、もしくは当たったときにはすぐにマルカルロによる回復魔法とすることにしている。サラとティアーヌは≪飛翔≫も活用することで、攻撃を分散させるようにしている。

ハリーはバトルホースやロック鳥と一緒に、あまり魔法戦が無い一角で、炎の魔剣を活用した近接戦により敵兵を圧倒している。


帝国軍には出だしの混乱から回復することができないまま、そのままズルズルと劣勢にさせた状態を続けられていると思ったころ、傷つき瀕死となった帝国魔法使いが自棄になったのか倒れこむ前に、ワイバーンたちに≪魅了≫≪呪詛≫をまき散らす。ワイバーン3頭は避けるか抵抗しきったようであるが、怒りでその魔法使いは炎で燃やされる。

それから混乱は継続し、ワイバーンも少し小さな1頭から順次倒されていくのと合わせて、帝国軍も騎士や魔法使いが倒れていく。サラたちは天使による回復魔法のお陰で何とか戦力を維持できていた。


最終的に何人か残った帝国兵が降参することで戦闘は終了となる。膨大な死体に紛れて息のある者があるかもしれないため、ドレイクの広場と同様に死体は魔法の袋に回収できるが生者は不可であることを利用して、生存者を確認し、捕縛していく。

生存者には武装解除させた上で回復魔法をかけて縛り上げていく。魔法使いと上級騎士の生存者は居なかったようで、一般兵士ばかりであった。

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