第404話 帝国宣戦布告3

出発の日、カーヤ用の戦馬バトルホースのカンや馬車の車体は残して、戦争で必要になりそうな魔法回復薬やそのための薬瓶なども大量に魔法袋に収納して家を出る。

ヴァーヴ伯爵家の屋敷に寄ると、伝えていた魔法袋の大きさいっぱいいっぱい分の物資が用意されていた。物資目録や手紙も預かる。



前回に騎乗で王都から伯爵領都に移動したときよりも、どうしても気がせいてしまい2週間ほどで到着することができた。


いったん馬たちをハリーたちの実家の宿屋に預けて、すぐにエミリーに今後のことを相談する。先に水精霊シルビー経由で状況を聞いていたエミリーは以下のようにアドバイスをする。

「軍隊経験が無いサラたちは、さらに外見が若いこともあり軍隊に組み込まれても機能しないだろうから、独立部隊がいいだろう。魔法の袋などを活用した兵站(へいたん)、物資輸送などから始めるのが良いと思う」

その上で、サラに追加の≪収納≫の魔道具をくれる。今までサラが持っていたのは、

≪拡張≫の腰袋(ベッドの広さ×身長の高さ)で使用者制限付き、

≪収納≫の腕輪(背負袋の10倍)で時間停止付き、

≪収納≫の指輪(ツインルームの5倍)

≪収納≫の指輪(ツインルームの3倍)

であった。これに対して、≪収納≫の指輪(ツインルームの10倍)を2つくれたのである。

元の5倍と3倍の指輪はリリーに譲り、同じ5倍と3倍の2つの指輪をハリーにくれる。

ミーナ、アルベール、リリアナには10倍の指輪を1つずつくれる。

「ツインルームは大きな荷馬車とほぼ同等だから、これで、サラの部隊はその荷馬車が何十台と同じになるでしょ。それを活かせる独立部隊、とアピールしておいで」

と送り出される。空間魔法を内緒にしないと国などに目をつけられるという話は今更と自重は無くなったエミリーであった。


心強い贈物を元に、ヴァーヴ伯爵に会う。王都からの搬送物を目録と手紙と一緒に引き渡すことにより、エミリーの思惑通り物資輸送などを指示される。サラを隊長とした6人の独立部隊である。

ヴァーヴ伯爵からは、まだ学生が1年残っているのに済まないという言葉も合わせて貰っている。

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