第158話 ダンジョン改変

翌朝、再度12階に戻り探索を開始する。地図を見ると、今回も13階への階段までは戦闘を含めると2~3日かかるであろうと思われ、ダンジョン改変の満月まで後3日であり、改変までの最後の階層になると覚悟している。


昨日の最後の戦闘を踏まえると数匹ずつの巨蟻では物足りないぐらい戦闘自体は問題ないが、道が曲がりくねっており進むのには時間がかかる。

野営をして2日目辺りから少しずつ蟻と遭遇する頻度が増えてくる。お陰で出口まで行かずに2度目の野営をすることになる。

「明日の夜が満月だから、早く出ないとまずいのだよな。どうなるのかな」

「改変に巻き込まれると基本的には出口に吐き出されるらしいけど、運が悪いとダンジョンの壁に埋め込まれると言われているわよ」

「明日は急いで13階に向かうわよ」


翌日には、前日以上に敵に遭遇するものの出口までは目の前に。11階を踏まえると最後の部屋にはボスが待ち受けているはずであり、近くなった辺りで昼食休憩にする。


想像通りボス部屋には多くの蟻が待ち構えていたので、前回と同様に強化をした後に水精霊シルビーも召喚し、通路までおびき出して一般の蟻から始末することにした。既に経験済みの方法であり、一般蟻までは問題なく完了した。

その後に残った親衛隊蟻が前回は3匹だったのが5匹に増えており、危険度が上がっている。取りえる選択肢として、水精霊シルビー以外に、スケルトンも呼び出すことにする。今の手持ち死体での最大戦力であるホブゴブリン1体、ゴブリン2体にする。この骸骨たちに敵2匹を相手させることで時間稼ぎして、前回と同様の体制に持ち込む。


遠隔攻撃で弱らせた1匹から順次倒して最大3匹にしか対峙しないことで、大怪我をすることなく殲滅までたどり着いたときには骸骨3体も力尽きていた。

≪治癒≫と傷回復薬を使用し回復しながら休息をする。

「何とか倒せたし、何とか改変には間に合ったなぁ」

「休んだら早く出ましょう」

と、魔石や親衛隊蟻の骨格程度を急いで回収して、13階の光る床から出口に向かう。

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