第409話 ロワイヤン搬入2

「私はロワイヤンの街の代官、ヴァレミ・グーモンスである。サラ・ドラセム準男爵とははじめて耳にする名前である。そなたたちがヴァーヴ伯爵の使いである証をまず示して貰えないか」

「こちらが、ヴァーヴ伯爵からの指示書になります」

と、代官の部下に指示書を渡す。

グーモンスは指示書を見て頷く。

「まずは物資の搬入に感謝する。後ほど広場にて受け取らせて貰おう。その他は何ができるのか」

「投石機を使用されているのを見て、岩も回収してきております」

「それは助かる。それも後ほど投石機の近くの置き場にお願いする」

「けが人はどのくらいいますか?回復魔法を使うことができます」

「なんと。では医務棟に早速お願いしても良いであろうか」


けが人であふれる医務棟に行き、重傷、軽傷で部屋が分かれているのをみて、軽傷側には≪治癒≫のみのリリー、ミーナ、アルベール、リリアナを残して対処させる。必要なら魔力回復薬も惜しまないようにと指示する。自分たちが居ないときにも使える傷回復薬を温存した方が良いとの判断である。

サラはハリーと一緒に重傷者のエリアに行き、まず≪回復≫で済む者たちを全員対処した後、姿を消した状態で天使マルカルロを召喚し、≪上回復≫が必要な数人に対処を行う。1人だけ居た危篤状態の上等な衣服のけが人には≪王回復≫をして貰い召喚が解除される。その危篤状態だった者の火傷痕は≪王回復≫でも消えず、自身の火傷痕のことを思い出し≪解呪≫を行うとその痕も消える。悪魔教団の痕跡らしきものから感情が高ぶり、≪呪詛≫をかけた術者の特徴を確認しても単に黒ローブであったことしか分からない。

怒りに支配されそうになるが、今はそのときでないと思いなおし、その後は、負傷者の数が多くてまだ残っている軽傷者エリアに戻り、≪治癒≫の同時発動も行い医務棟のけが人をゼロにさせる。


その後は、案内に従い、投石機近くの岩置き場に岩を置きに、その他の物資は広場に荷馬車30台分を置いた後は、案内された宿舎でそれぞれ日課の訓練やお祈りをした後に就寝する6人であった。

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