第997話 アルテーラ派遣2
アルテーラ王国に来たティアーヌ達は、相変わらずの第3王子ダニエーレと、そのお付きのタカマーノ騎士爵のやり取りに呆れていると、
「話を進めさせて頂きます」
とタカマーノが仕切り直して説明を始める。
アルテーラ王国でも南西の港町ガンドリオの近くで、海の魔物の被害が出ているようなのです。
以前のサラ様にお手伝い頂いた海賊騒ぎが後を引きずっており、アルテーラ王国の中心である海軍の内部で混乱が続いているのかと。そのため、海の魔物の始末が手薄になっているのかもしれないです。まぁこれは我々陸軍のうがった見方かもしれませんが。
横道にそれましたな。
魔物は巨大蛸クラーケンとの噂です。ご存知のようにAランク魔物であり簡単に対応できる話ではありません。
「お伺いしてもよろしいでしょうか」
「はい、ティアーヌ様、何なりと。疑問があったままでは進めにくいでしょうから」
「我々はどなたのご依頼を受ける手続きをすればよろしいのでしょうか」
「なるほど。陸軍閥の我々からのお話だと違和感がありますよね。大丈夫ですよ。冒険者ギルドには王国として依頼をしております。ただ、いつまでも引き受け手が居ないと王国の体面が無くなりますので、この大陸で一番戦力のある冒険者クランのドラセム家に、ご縁が深い我々からご連絡を取らせて頂いたという話です」
「かしこまりました。では冒険者ギルドにて依頼を受注して、ガンドリオに情報収集に向かいます」
「ありがとうございます。もし海軍閥の変なプライドを持った者が邪魔をしてきたら、お手数ですがご連絡を頂けると助かります。きっとドラセム家の方なら自力で対処できてしまうと思いますが、我々が介入することで陸軍閥と海軍閥の関係性の調整に使用できればと。もちろん余力のある時だけで結構ですので」
そのまま冒険者ギルドにタカマーノと共に行き、討伐依頼を冒険者クランとして受領する。
「タカマーノ様、相変わらず色々とご苦労されているようですね」
「そうみたいね。でも我々は依頼達成を第一に考えましょう」
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