第369話 同行者2
薄暗いのでよく見えなかったが、商人が灯りを持って荷台に上がると、2人居ることが分かる。体格的に子供が2人にみえる。
「どうです?男女の双子の子供です。どうもハーフエルフみたいですね」
「いえ、我々に奴隷は要らないので。もう寝ますね」
とハリーが言って商人たちと離れる。
ミーナは、自分が奴隷であると商人たちにバレたらトラブルになると思っておびえている。それに気づいたハリーたちは商人たちから遠い方にミーナを隠すように野営設備の奥に移動する。
一方、商人たちは商人たちでコソコソと会話をしている。
「貴族の子供たちが遠出のお遊びみたいだな。貴族の子供を欲しがる変態も居るから、いい商品になりそうだ」
「こいつらはさらうのに周りの大人たちが邪魔で仕方なしに殺してきたが、今度は子供たちしかいないから美味しいな」
「確かに。後から見たらハーフエルフっぽいのに、なんで人間のあいつ等が育てていたんだろうなぁ。まぁ知ったことでは無いか」
その言葉を聞き、荷台の2人は怒って「うー、うー」とうなるが「静かにしろ」と殴られて黙り込む。
サラたちは、召喚して姿を消させた悪魔ストラデルと従魔たちに夜の番を任せて寝ている。深夜になり、商人たちは
「貴族のガキたちは交代番も立てずに寝ているのか。今がチャンスだ」
と襲い掛かってくる。
ストラデルや従魔たちが騒ぐだけでなく、怪しい商人が近くに居るのに熟睡できていない仲間たちは武具を装備したまま寝ていたので、すぐに戦闘態勢に入る。
「狸寝入りしていたのかよ」
と商人たちは叫ぶが、答える義務もない。
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